IZAの思い出2

花曇り

切通をこえて自転車を走らせた。灰色の雲、太陽、どちらもお互いの存在をみないふり、そんなどっちつかずな春の一日はキチガイじみた桜狂想曲の余韻もなく、行き先もわからないままのった電車のように少し不安げに歩んでいる。

誰が見るでもない花曇りの空を背負って高みから見下ろしている一本の桜にはふと立ち止まってみつめあう人間が不可解なものに映り、通りすぎたあとにはもう忘れているだろう。

 


 


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# by mari_tensinonamid | 2012-04-20 14:58 | 携帯電話でぱちり

あめのひのまえに


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未明から眠れないまま朝を迎えた金曜日。暗い部屋の中で今日の夜明けの時間は…と携帯電話の画面を見つめていた。まだ歩いたことのないあの道を今日は歩いてみよう。薄手のコートを羽織り家をでるともう空は白みはじめていた。朝靄のなかの人気のない道を南に向かうと思ったより早く渡良瀬川の堤防が見えてくる。子供のころには川辺で遊び、東京へと離れるまで身近にあった渡良瀬川。こんな風に堤防を朝散歩したことなどなかったが、ここには毎朝挨拶を交わす人々がもうちらほらと行きかっている。


太陽はどこから昇るのだろうと足早に歩いているとまだ薄暗い光の中ふと目に入って見知らぬ寺の桜。




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やがて見えてきた太陽は思っていたより北寄りの街ごしからぼんやりとしたオレンジ色の光を放っていた。遠くに見える低い山々の向こうから朝の日差しが顔を出すのはもう日の出からずいぶん経ってからだった。


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枯草色だった堤防は桜の季節とともにいつの間にか緑になり、何の変哲もない緑の草たちも朝露を身にまとって輝く。


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どこまでも続く水玉模様


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斜面に揺れる菜の花の向こうはまだ冬の名残の枯草が対岸の桜などそ知らぬふりで倒れている。


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かつてあった競馬場あとにある、まだ真新しい病院がみえてきた。


ああもうこんなところまで来てしまったのか。


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今日はもう引き返そう。次はいつあるくのか、もうこないのか…。


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夜明けに頼りない桜色をしていた花びらたちも朝の光に華やかさを取り戻した。


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近くでは少年が壁に向かってボールをけっている規則的な音が聞こえてくる。


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春は急ぎ足で満開の桜の上を通り過ぎていく。


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この後には雨の日が来ることを知っているのか…。


花びらはもう地面を敷き詰めだしていた。


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# by mari_tensinonamid | 2012-04-17 09:40 | 植物

霞の空に夜が明ける

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  渡良瀬川を歩きつつ…


 


 


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# by mari_tensinonamid | 2012-04-13 09:21 | 携帯電話でぱちり

きゅうりぐさ


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テニスコートの道を自転車で走っていると、ボールを打つ乾いた音が聞こえてくる。風が吹き始め桜の花びらがまう道にふと目を落としてみると、囁くように小さな花をたくさんつけているきゅうりぐさ。花びらというよりは道端の風景にばらまかれた小さな青いビーズのように清楚。



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# by mari_tensinonamid | 2012-04-10 19:17 | 植物

しろばなたんぽぽ


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まだソメイヨシノも咲きだしたばかりだった4月6日、みつけた白いタンポポ。


買ったばかりの自転車を走らせていると道の向こうにピンク色をした噴水のような花姿がみえ、


青信号をまってわたっていくとそこに咲いていたのは雪柳だった。


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今日数日ぶりに自宅へ戻る途中、見上げるとそこにはつばめ。


汗ばむほどの陽ざしの下でジャケットをぬいでたちどまると


しばらく元気のよい歌を聞かせてくれた。


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春は急に急ぎ足になったように思われるのはまだ桜も三分咲きの街から戻ってきたせいだろうか。


バス停の先で角を曲がると去年と変わらない見事な桜が赤い椿の垣根の上に立ち並んでいた。


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春は短い、その短さゆえにもう少し待ってくれないものかと思うことしきり…。


 



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# by mari_tensinonamid | 2012-04-09 15:33 | 植物